プラハモリ#01 チェコは世界の中心?!
Dobrý den!
はじまりました、プラハモリ!
舞台は中欧、チェコ。中世の街並みをそのまま残す首都プラハには国内外から年間750万人を越える観光客が訪れます。名産品はビールやボヘミアンガラス、ガーネット。スメタナやドヴォルザークをはじめとした作曲家や、フランツカフカやカレルチャペックといった作家も有名です。
国土面積は北海道と同じぐらい、人口は1000万人ほどのチェコが世界の中心だなんてどういうことでしょう?
歴史地理を専攻するチェコ留学中の女子大生が、プラハをプラプラ歩きながら、チェコの魅力と歴史を紐解きます。
ヨーロッパの中心
ヨーロッパの地図を広げ、先入観なしにその中心を指差すとしたらきっとチェコが選ばれるはず。チェコはドイツ、オーストリア、スロヴァキア、ポーランドの4国と国境を接しています。
そんなヨーロッパの中心にあるチェコは、南北に流れるブルタヴァ川と東西を結ぶ交易ルートの交差点に位置し、とおい昔から東西南北の経済・文化の交わる地点となってきました。
さまざまな文化が交わっていることはチェコ料理を見ても頷けます。ちょこっと寄り道。
トルデルニーク
「チェコ伝統の」円柱状の焼きドーナツのような屋台菓子。観光地では必ず見かけますがチェコ人に言わせるとトルデルニークはチェコのものではないそう。そのルーツは諸説ありますがルーマニア〜ハンガリーにかけての東欧にあるようです。
グラーシュ
レストランのチェコ伝統料理に欠かせない一品。いわゆるビーフシチューですが、ドイツやオーストリア料理がもとになっています。グラーシュってドイツ語ですしね…。
世界史の中心
ヨーロッパの中心に位置するチェコは、世界史上重要な事件の舞台にもなってきました。
宗教改革の先駆けとなるフス戦争や、ヨーロッパ中を揺るがす三十年戦争、そして社会主義下からの自由化を求めたプラハの春…。ヨーロッパ、そして世界を巻き込む歴史上の大事件に地政学的にチェコは巻き込まれやすい場所にあるのです。それゆえチェコは小国でありながら、この国の歴史を振り返ることで世界史の要点をたどることができます。いわば世界史の中心!
プラハモリでは今後、チェコの歴史を名所旧跡とともにたどっていきます。
世界の中心!な単語
チェコ語を語源にした世界言語には、ピストル、ドル 、そしてロボットがあります。
主要な武器・ピストル(銃)
ピストルの語源はチェコ語で口笛を意味するpištala(ピシュタラ)にあるといいます。1420年代フス戦争で使われた手持ち銃がそう呼ばれていたのがその始まりだそう。
世界の中心通貨・ドル
ドルの語源はチェコの銀山で採掘された銀を使った通貨ヨアヒムスターラー、略してターラーに由来します。そのオランダ語形ドルラルが、今使われている通貨単位ドルになりました。
アメリカドルは文字通り世界の中心通貨になっています。その「ドル 」もチェコに語源があるなんて驚きですよね。
労働力の中心に?・ロボット
ロボットという言葉は、上述のチェコの作家カレルチャペックが、チェコ語で強制労働を意味するrobotaをもとにつくった造語です。
これからの世界の労働力の中心になっていくだろう(もうすでになっている?)ロボットの語源もチェコ語にあったのです。
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